換価分割とは?メリットとデメリットから見る利用するべきケース

一般家庭で最も利用される相続財産の分配方法の1つ、換価分割のメリットとデメリットを確認し、利用するべきケースを知っておきましょう。今回の記事では、換価分割のメリットとデメリットから、利用するべきケースを解説していきます。相続をする場合の参考にしてください。

換価分割とは?

換価分割とは、相続財産の分配方法の1つです。すべての遺産を換金したあと、その金額を相続人で分配します。お金に換えてしまうことから、後の分配で揉めることが防げる相続方法です。

換価分割のメリット

最初に換価分割を利用するメリットを紹介します。

換価分割は争族が起きにくい

換価分割は、すべての遺産を換金することから、平等に分配される相続方法です。平等に分配されることから、不満を口にする人もいなくなります。不動産をそのままで平等に分けることは非常に難しい問題ですが、現金ならば1円単位まで分けることが可能です。

相続したくない財産も分割できる

遺産の中には、相続人が相続したくないものもあります。実家は思い出の地ですが、今の住まいより遠く離れていれば相続するのは迷惑な話かもしれません。相続人全員が満場一致で処分を承諾すれば、相続したくない遺産も換金し、分配が可能です。これにより、メンテナンスなどの作業からも、解放されます。

相続税の対策資金ができる

換価分割は、現金で分配する方法です。ある程度の相続をすれば、相続税を支払う必要がありますが、この支払いをするお金の捻出ができます。手持ちがない状況で不動産を相続した場合、納税が苦しくなることはよくありまが、その心配が換価分割を利用することで防げます。

換価分割のデメリット

次に換価分割のデメリットの紹介です。

換価するのに手間がかかる

遺産の中に不動産などがある場合は、換価するのに手間がかかります。依頼をしてすぐに売買が成立するような不動産ならば良いですが、なかなか売れず長い期間が必要になることもあるでしょう。もちろん売買の際には、仲介手数料も発生します。

換価するのにある程度の時間がかかってしまうのはデメリットです。また、思い通りの金額で売れないこともあります。すぐに売買が成立しないことも視野にしれておきましょう。

思い出のあるものも処分しなければならない

相続人の中には、実家を手放したくないと感情的になる人もいるかもしれません。しかし、換価分割をするのならば、すべての処分が必要です。手放すことを反対している相続人が、代償分割できれば周囲も納得するかもしれませんが、それなりの現金が必要です。さらにその後の相続税も考えなければいけません。

思い出のある実家を手放すことに抵抗がある人には、デメリットになるかもしれません。

換価分割を利用するべきケース

換価分割は、一般的な家庭で最も利用される分割方法です。一般家庭における遺産の多くは自宅などの不動産、配偶者がすでに他界し、相続人が生計を共にしていなければ、実家を利用する人はいません。相続しても手に余る不動産ならば、換価分割から平等に分配をしようと判断するのが理由です。

また、不動産を相続することで代償や相続税を支払えない相続人も換価分割を利用するべきです。思い出だから何とかしたいと思い相続をしたものの、最終的に売らなければ生活できなくなったとなれば本末転倒ではないでしょうか。

遺産分割協議で揉めているのならば、最終的に選ばれるのが換価分割です。換価分割で悩まれている人は、専門家である弁護士に相談をすることをおすすめします。

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